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施工体制台帳と施工体系図、元請が作成する義務と記入項目の実務
建設工事では、元請業者が施工体制台帳と施工体系図を作成・保管することが法律で義務付けられています。「どちらも同じでは?」と混同する人も多いですが、役割と記入項目が異なります。2つの違いを理解し、実務で正確に対応しましょう。
施工体制台帳と施工体系図の違い
施工体制台帳 は、工事に関わるすべての事業者(元請・下請・孫請など)の情報を一覧形式で記録した書類です。事業者名、代表者、許可番号、配置技術者などを項目ごとに整理します。
施工体系図 は、元請から下請、孫請へと流れる「階層構造」を図解したものです。誰が誰の下で働いているのかを視覚的に示します。
簡潔に言えば、台帳は「データベース」、体系図は「組織図」の関係です。工事現場では通常、両方を掲示して初めて完全な施工体制が明示されます。
施工体制台帳を作成する義務と対象工事
作成義務が生じるのは 元請業者が、一定規模以上の工事を受注したときです。具体的には、下請契約金額の合計が 4,000万円(建築一式工事は 7,000万円)以上になる場合が該当します。
また、下請業者が複数いる場合も、金額を問わず台帳作成が義務化されるケースがあります。最終的には、発注者や発注官庁の指示を確認することが重要です。
台帳は工事完了後も 3年間の保管が義務付けられており、検査や行政指導のときに提示を求められることがあります。
施工体制台帳に記入すべき主要項目
台帳に盛り込むべき情報は以下の通りです:
- 元請業者の名称・許可番号・代表者
- 各下請業者の名称・許可番号・代表者
- 主任技術者(元請)・施工技術者(下請)の氏名・資格
- 下請契約金額(税別)
- 工事着手日・予定竣工日
- 現場代理人の氏名
金額には税抜価格を記入するのが慣例です。下請が複数層ある場合は、各層ごとに情報を埋めます。
施工体系図の作成ポイント
体系図は、元請を頂点に、その下に一次下請、さらにその下に二次下請という流れを縦または横で図示します。
各事業者ボックスには、会社名と許可番号を明記し、契約金額を側に記入するのが実務的です。図の左下に作成日、元請の名前・印鑑を入れて完成です。
体系図は工事現場の事務所に掲示し、誰もが施工体制を把握できるようにします。特に工事監理者や発注者が来場したときは、即座に説明できる状態にしておくことが重要です。
提出時期と注意点
施工体制台帳と施工体系図は、工事着手前または着手後できるだけ早く発注者(または監理者)に提出します。提出期限が契約書に明記されていれば従い、なければ早めに動きましょう。
下請が追加される場合は、台帳・体系図を改訂して再提出し、最新の状態を保ちます。特に下請の変更・追加はトラブルの種になりやすいため、その都度連絡・記録を取ることが重要です。
虚偽の記載や無届けの下請使用は、建設業法違反に問われる可能性があります。正確な情報を丁寧に記入することが、現場信用と法令遵守の両立につながります。
記入項目や形式は発注者ごとに異なることもあるため、契約時に指定フォーマットがないか確認を取ってください。テンプレートから自動生成まで対応できるツール(「サクッとツール」の施工体制台帳機能など)を活用すれば、入力ミスを減らし、改訂時の手間も軽くなります。
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