ホーム › お役立ち記事 › 建設業・飲食業の資金繰り危機を防ぐ。3ステップのキャッシュフロー予測の立て方
建設業・飲食業の資金繰り危機を防ぐ。3ステップのキャッシュフロー予測の立て方
売上が増えても、資金が枯渇することがあります。特に建設業(下請けの代金回収が遅い)や飲食業(仕入れが先払い)では、この資金繰りの落とし穴に落ちやすい。「あと3か月で倒産」という事態を避けるには、いま手元にある現金が、来月・再来月どう変わるかを事前に把握する必要があります。その方法を、3ステップで解説します。
ステップ1:過去3〜6か月の入金・出金を実績で整理する
予測は実績の上に立ちます。まず銀行通帳から、毎月の「いつ」「いくら」が入金・出金されたかを記録してください。
入金側 では、売上が立った月と実際に入金された月のズレを必ず記録します。建設業なら「9月に工事代金が確定しても、入金は11月」というように。飲食業なら「日々の売上の現金回収と、クレジットカード売上の確定タイミング」を分ける。
出金側 では、給与・家賃・仕入れ・税金など、固定的に出ていくもの(毎月5日に給与、20日に仕入代金など)を洗い出します。この作業で、実はいつが一番資金が減るかが見えてきます。
建設業は「工事着工から代金回収まで6か月」という現場もあり、その間の経費(材料費・労務費)は先に出ていきます。飲食業は「商品仕入れが毎日発生し、売上回収は現金か数日後」という特性があります。
ステップ2:向こう3か月の売上・支出を見通す
ステップ1で把握した「ズレのパターン」をもとに、これからの3か月を予測します。
売上予測 は、受注状況・施工予定・営業活動の進捗から、「いつ、いくら入金されるか」を月別に書き出します。建設業なら工事の着工時期と完成時期を確認し、請負金額を「前払い・期中・竣工時」に分ける。飲食業なら「通常営業の売上」と「仕込みが多い時期」を分ける。
支出予測 は、毎月の固定費(給与・家賃・保険料など)と変動費(材料費・外注費など)を分ける。建設業で新しい現場が着工すれば、材料費・人件費が増える。飲食業でメニュー追加や新店舗準備があれば、仕入費が増える。こうした変化を月ごとに織り込みます。
忘れやすいのが「税金」です。消費税・所得税・社会保険料など、いつどのくらい納めるかを年間スケジュール表に落とし込んでおくと、後で慌てずに済みます。
ステップ3:月末残高を計算して危機を察知する
毎月の入金から出金を引いた数字が「その月の増減」です。これを今月の残高に足すと、来月末の予想残高が出ます。
例:
- 今月末の現金残高:300万円
- 来月の入金予定:400万円
- 来月の出金予定:450万円
- 来月末の予想残高:300 + 400 - 450 = 250万円
この作業を3か月先までやってみてください。もし「マイナスになる月」が出てきたら、その1か月前から対策が必要です。銀行融資を前もって申し込む、出金スケジュールをずらす交渉をする、売掛金の前払いを相手に頼むなど、選択肢が広がります。
建設業なら「工事代金の前払い・期中払い」を契約段階で入れる。飲食業なら「シーズンオフに備えた資金積立」や「融資枠の確保」が有効です。
予測を毎月アップデートしよう
キャッシュフロー予測は、立てたら終わりではありません。毎月、実績と予測のズレを確認し、翌月以降の予測を修正する。「予測が当たった」ことが目標ではなく、「ズレに気づいて早めに手を打つ」ことが目標です。
最初は手書きやExcelで構わないですが、入力項目が多い場合は、簡単に計算できるツール(例えば「サクッとツール」の キャッシュフロー計算機 https://sakuttotool.jp/platform/tool-keisan-cashflow.html?id=keisan-cashflow など)を使うと、毎月の更新が楽になります。資金繰り破綻は突然来るのではなく、3か月前から予兆が出ています。その予兆をいち早くつかむことが、事業を守る第一歩です。
← お役立ち記事の一覧へ