賃金台帳・出勤簿の書き方と基礎知識
賃金台帳と出勤簿は、労働者を1人でも雇用する事業所に作成・保存が義務づけられた帳簿です。ここでは、それぞれに記載すべき項目・法律上の位置づけ・保存の考え方を、実務の観点から整理します。上のツールは入力に応じて労働時間や支給・控除の合計を自動集計し、そのままA4横でPDFに印刷できます(入力データは送信されません。すべてブラウザ内で処理されます)。
労働基準法の「法定三帳簿」とは
労働基準法では、事業主が備え付けるべき帳簿として、いわゆる法定三帳簿が定められています。次の3つが該当し、賃金台帳と出勤簿はそのうちの2つです。
- 労働者名簿:氏名・生年月日・住所・雇入年月日・従事する業務などを記録する帳簿。
- 賃金台帳:賃金の計算基礎や支払状況を記録する帳簿(労働基準法第108条・同施行規則第54条)。
- 出勤簿等:労働日数や労働時間を客観的に把握するための記録。労働時間の適正な把握のためのガイドラインでも整備が求められています。
賃金台帳・出勤簿は、労働者を雇用するすべての事業所に作成義務があります。記載事項の不備や未作成は是正指導の対象となり得るため、各労働者・各賃金計算期間ごとに漏れなく記録することが基本です。
賃金台帳に記載する項目
賃金台帳は、労働者ごとに、賃金計算期間(通常は月ごと)を単位として作成します。労働基準法施行規則第54条に定める主な記載事項は次のとおりです。上のツールの「賃金台帳」タブは、これらの項目を1か月=1行として入力し、支給計・控除計・差引支給額を自動計算します。
- 氏名:賃金の支払を受ける労働者の氏名。
- 性別:男女等の区分。
- 賃金計算期間:締め日から締め日までの対象期間(例:5/16〜6/15)。
- 労働日数:その期間に労働した日数。
- 労働時間数:所定労働時間を含む実労働時間の合計。
- 時間外・深夜・休日労働の時間数:割増賃金の基礎となる各区分の時間数。
- 基本給・手当その他賃金の種類ごとの額:役職手当・通勤手当などを種類別に記載。
- 控除項目とその額:社会保険料・源泉所得税・住民税など、賃金から差し引く項目と金額。
出勤簿に記載する項目
出勤簿は、労働時間を客観的に把握するための記録です。日ごとに、次のような項目を記録します。上のツールの「出勤簿」タブは、出勤・退勤・休憩から実労働時間を自動で算出します(退勤が出勤より小さい場合は翌日跨ぎとして計算します)。
- 日付・曜日:対象の年月と各日。
- 出勤時刻・退勤時刻:実際に労働を開始・終了した時刻。
- 休憩時間:労働時間から控除する休憩の長さ。
- 実労働時間:出勤から退勤までのうち休憩を除いた時間。
- 時間外・深夜・休日労働の区分:割増の対象となる区分の別。
保存期間の考え方
賃金台帳・出勤簿などの労働関係に関する重要書類には、法律上の保存義務があります。保存期間は法改正により変更されており、起算日(最後の記入日・完結日など)や経過措置の扱いを含め、労働基準法および最新の改正内容を必ず確認してください。本ページでは具体的な年数の断定は避け、実際の運用は最新の法令・所轄労働基準監督署の案内に従うことをおすすめします。
よくある質問
- 賃金台帳と給与明細は同じものですか?
- いいえ。給与明細は労働者本人に交付する通知であるのに対し、賃金台帳は事業所が備え付けて保存する法定帳簿です。記載事項も賃金台帳のほうが法令で定められています。パートやアルバイトを含め、雇用するすべての労働者について作成します。
- 出勤簿はタイムカードでも代用できますか?
- 労働時間を客観的に記録できるものであれば、タイムカードやICカード、PCのログなども記録の方法として認められる場合があります。いずれの場合も、始業・終業時刻や労働時間を確認できる形で残すことが求められます。詳細は最新のガイドライン等をご確認ください。
- 集計された労働時間や支給額はそのまま使えますか?
- 本ツールの合計値は入力値に基づく概算です。割増賃金率・端数処理・所定労働時間・各種手当や控除の正否は、就業規則・労使協定・最新法令に従ってご確認ください。最終的な正確性は事業主の責任において確認する必要があります。
- 入力した内容はどこかに送信されますか?
- いいえ。このツールはすべてブラウザ内で処理され、氏名・賃金・勤怠などのデータが外部に送信されることはありません(通信ゼロ)。
※ 本ページの記載は一般的な参考情報であり、法的助言ではありません。記載事項・保存期間・割増賃金の計算方法などは、労働基準法および最新の改正・所轄労働基準監督署の案内、必要に応じて社会保険労務士等の専門家にご確認ください。